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B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI- in ヤフオク!ドーム~9月1日~【ライブレポート】

行ってきました!

B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI- in ヤフオク!ドーム

B'zのデビュー30周年記念ツアー。

B'zファン歴20年以上になりますが、9月1日のライブは過去最高に良かった!

ライブ単体としてのパフォーマンスとしては良くなかったかもしれない。

しかし、B'zとともに年を重ねてきたファンにとっては、一生語り継ぎたい伝説のライブになったと思います。

以下、ライブレポートです。

当然ながらネタバレもありますので、まだライブ前で見たくない方はここで引き返して、そしてライブ後に見に来てください(笑)。

ヤフオク!ドーム入場前

この日は息子を実家に預けてライブに行く予定だったのですが、あてにしていた母からは「仕事が忙しくて、その日は休めない!」と言われ、子ども3人を抱えている妹に頼むことに。

妹の都合に合わせざるを得なかったので、ヤフオク!ドームに到着したのが午後3時ころ。

もうヤフオク!ドームの駐車場も、周辺の駐車場もほぼほぼ満車でした。

ドームから1キロくらい離れた所で何とか駐車場を見つけ、いざヤフオク!ドームへ。

まずは我が家の恒例となったブルーレイディスクの購入。

ドームの物販で、5,000円以上のCD・DVD・BDなどを購入するとサイン色紙が当たる抽選に参加することが出来るんです。

過去、B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER- のツアーで初めて物販でDVDを購入したときにサインが当たったんです。

しかし、それ以降は当たりが引けず…

今回もチャレンジしましたが、結局ハズレ。

 

 

ブルーレイを購入した後はグッズ売り場へ。

いつもは開演3時間前くらいに来ているので、そんなに並んだこともなかったのですが、さすがに開演1時間前ともなると人もたくさん集まってきていてメチャメチャ並んでる。

 

 

ようやく列の最後尾を見つけたのですが、案内のボードを持っているスタッフは「今から並んでも開演時間には間に合いません!」とアナウンスしてます。

うん、確かに間に合わないだろうなと思います。

そんなわけで、グッズはライブ後に購入することにしました。

妻がドーム外周にある女子トイレに行っている間に、私がファミリーマートで水を購入(ドームの中の女子トイレはとても混雑しており、外周の方が比較的空いてます)(外周の男子トイレは女子トイレになっているのですが、男性はドーム内でも殆ど並ぶことはありません)。

そして、いよいよ会場内に入ることに。

初のSS席!

これまで何度も応募しているにもかかわらず、初めて当選したSS席!

しかし、SS席(アリーナ)といっても、場所によってはS席の方が見やすかったりしますよね。

B'zのライブでは、チケットが送られてきた段階では、どの席なのかは分かりません。

受付でチケットを提示して、そこで初めて自分の席が分かるのです。

 
 

実は2017年12月にプレミアムライブ(大阪)に行って、その時に肉眼でナマ稲葉さんを拝んだけど、それくらい近いといいなぁ。

受付を済ませ、席順が記載されたチケットが発行されます。

SS席はリストバンド型になっているんですね!

4列目だったんです! 4列目!

 
 

 

 

生きてて良かった…

 

 

ライブスタート!

開演時刻の5分前になり、お決まりのアナウンスが流れ、そして17:00を迎えます。

それまでかかっていたBGMの音量が大きくなり、一気にボルテージが上がる会場内。

そして会場が暗転し、映像が流れ始めます。

 

 

 

オープニングムービーが終わり、一曲目は『ultra soul』!

最近ではライブの終盤で歌われることが多かった曲ですが、今やB'zの代表曲と言っても過言ではない『ultra soul』を1曲目からブッこんできました。

通常のLIVE-GYMとは違って、"Pleasure"を冠するLIVE-GYMは人気曲をするライブなので、色々な世代から人気のある曲を最初に持ってきてハートを掴んでしまうのはアリだと思います!

稲葉さんの登場から妻のテンションもMAXに!

 

 

ultra soul』のメロディに合わせて、会場のボルテージは一曲目から上がりまくるのですが、稲葉さんの声がおかしい。

明らかに声が出ていない。

 

稲葉さんの喉、大丈夫かな…

 

 

ultra soul』を歌い切り、そのまま2曲目の『BLOWIN'』へ。

やはり声はかすれ、いつもの稲葉さんではない。

フレーズを飛ばして水を飲む稲葉さん。

とても苦しそうに歌う稲葉さん。

悔しそうな表情を浮かべる稲葉さん。

少し苛立っているのが伝わってきます。

何とか2曲目を歌い終えますが、水が入った紙コップを手放さず、なかなか次の曲を始めようとしません。

そんなにヤバイのか…

カメラスタッフを手招きする稲葉さん。

そして紙コップに入っていた水を飲み干します。

その紙コップの底には「B'zのLIVE-GYMにようこそ」の文字が。

演出かいっ!

心配したぞ~っ…

暗転、そして10分以上の中断

お決まりの「B'zのLIVE-GYMにようこそ!」の演出もあり、3曲目の『ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~』へ。

でも、やっぱり声はガラガラで、本当に稲葉さんの声なのかと思うくらいズタボロです。

 

 

 

3曲目が終わるとステージは暗転。

稲葉さんに続き、松本さんだけでなく、サポートメンバーもステージから姿を消します。

最近では、2017年12月28日に開催されたFM802主催の屋内型ロック・フェスティバル『RADIO CRAZY』でも、稲葉さんの喉の不調のため、ライブを早めに切り上げるというアクシデントがありました。

その数日前のクリスマスイヴのライブに行ったけど、その時は絶好調だったのにね…

稲葉さんが"商売道具"である喉を守るために、どれだけストイックな生活をしているか知っているからこそ、喉の調子が悪いということがどれだけ悔しいことか想像に難くないです。

 

昨年12月のことがあるからこそ、ファンとしてはこう思うんです。

無理しないで!

ここで無理してツブれてしまったら、もう二度と稲葉さんの歌を聴くことができなくなってしまうんですよ。

B'zの、そして稲葉さんの声は、私にとっては国宝も同然なんです。

もうB'zの曲がない生活なんて考えられない。

今は昔に比べて曲のリリースの間隔も長くなっているけど、それでも、少しずつでもいいからもっとB'zとしての世界を広げてもらいたいし、一日でも長く活動を続けてほしい。

私の方が稲葉さんよりも年下だから無理を承知で言うけど、私が死ぬまで活動しててほしい。

自分の葬式も、お経はいらないからB'zの曲と稲葉さんのソロの曲だけかけててほしい(『Photograph』はかけてほしい)。

脱線した。

いちファンとしては

 

 

精いっぱい生きている
それだけでもういい もういいよ
稲葉浩志『CHAIN』より
 
 

という気持ちなんです。

たった一日のライブで無理をしたせいで、今後どれだけ大きな影響があるか分からない。

それなら、無理はしてほしくないんです。

暗転してザワザワとする会場では

「稲葉さーん!」「頑張れー!」

という声も聞かれました。

応援したくなる気持ちも凄く分かりますし、否定はしません。

今日この日を楽しみにしてきてたのは、みんな一緒ですもんね。

自分だって生まれて初めてのSS席で、しかも前から4列目の物凄く良い席だったから、中止になるのももちろん嫌です。

でも、私にとっては、今後稲葉さんの声が聴けなくなる方がもっと嫌。

だから、「頑張れー!」という声に対して

稲葉さん、無理すんなーっ!

と声を上げようかとも思いました。

でも、それも言ってはいけない気がしました。

稲葉さんのソロの曲で、次のようなフレーズがあります。

 

 

頑張らなくてもいいんだよなんて
今の僕には聞かせないで
稲葉浩志『Golden Road』より
 
 

この『Golden Road』の歌詞について、稲葉さんはこういうことを語っていました。

ファンレターではよく「無理しないでください」と書いてある。
でも、「無理しないでって言われても、稲葉さんはやりたいんですよね」と書いてあるのを見て、その言葉がうれしくて感動した。

つまり、稲葉さんにとっては「無理しないで!」というのは、あまり聞きたくない言葉のはずなんです。

「無理しないで!」というよりも、「無理してでもステージに立て!」という言葉の方が届くのかもしれない。

だから、私は「無理すんな!」と声を上げることはありませんでしたし、「無理しろ!」という言葉も当然口にはできませんでした。

そして、暗転してから10分以上が経過して、ステージが明るくなり、稲葉さんがステージに姿を現します。

ステージに再登場した稲葉さんからのメッセージ

私はライブの中止を覚悟しました。

静寂の中、稲葉さんがマイクを手に取り、口を開きます。

 

 

「今日は色んな嫌な事とか忘れようと思ってライブに来ているのに、こうやってライブの場でも人の心配しなきゃいけないなんて… 本当にごめんなさい。」

 

 

 

「正直、このままライヴを続けられるのか、自信がありません。なので、今日はキビシイ目でジャッジしてください。もし歌えなくなったら、その時は必ず埋め合わせをします。今日は僕たちB'zの生き様を見ていてください。

一言一句覚えているわけではないですが、こんなことを言っていたと思います。

稲葉さんはカッコイイけど、ただカッコイイわけじゃない。

不格好な所も含めて、全てがカッコイイんです。

今まで自分が共感していたような"ダメなオトコ"の歌詞も、あれも全て稲葉さん自身で、だからこそカッコイイんです。

下手に飾ろうとせず、自分を偽ろうとせず、真剣に音楽に向き合い、そしてステージから35,000人の観客と向き合う。

稲葉さんが、B'zが覚悟を決めた瞬間でした。

だから、私も覚悟を決めてライブを楽しむことにしました。

ライブ再開

4曲目『裸足の女神』が始まり、先ほどまでの不調はどうした? と言いたくなるくらい無難に歌い上げます。

ただし、いつもほどのパワーを感じることは出来ません。

セーブしているんだろうな… というのは、どうしても感じてしまいます。

稲葉さんは再開後も水や薬を飲みながらのステージで、私の隣にいた妻の顔は青ざめたまま。

手拍子もせず、リズムで身体を揺らすこともなく、心配そうな表情で稲葉さんを見つめていました。

おそらく"稲葉さんの喉が限界を迎えること"を考えてしまって、ライブに集中しきれないでいるんだろうと思いました。

それでも、曲が進むにつれて、徐々に力強くなっていく稲葉さんの歌声。

ベストパフォーマンスには程遠いけど、それでも所々シャウトをして、どんどんいつものLIVE-GYMの雰囲気になっていきます。

稲葉さん、実はロボットで、喉だけ付け替えてきたのでは?

と思ってしまうほど。

 

 

だれしも喉を傷めたことはあると思うのですが、一度喉を傷めるとすぐには治らないですよね?

私なんて、言葉を発するどころか、深呼吸するだけでも嫌で嫌で仕方なくて、喉が痛くなった時はひたすら龍角散ののど飴を舐めてますもん。

それでも、喉の痛みが消えるわけではありません。

どういう方法を使ったのか分からないですが、稲葉さんの喉は、オープニングの時よりも確実に良くなっていました。

最初は顔を青ざめさせていた妻も、いつしか身体を揺らし、手拍子をし、腕を振ってライブの空気にノれるようになっていました。

加速するパフォーマンス

今回のLIVE-GYMのタイトルは -HINOTORI- です。

火の鳥、つまり不死鳥のこと。

ライブ冒頭、瀕死の状態だった稲葉さん。

ファンの贔屓目に見ても"ヒドイ"状態だったのに、ここまで復活できるなんて、とても信じられない。

LOVE PHANTOM』の時、ステージのギミックが動く演出で火の鳥が姿を現したが、稲葉さんの姿がとても神々しく見えました。

あんたこそ"HINOTORI"やで!

 

 

稲葉さんがファンクラブの会報で「『LOVE PHANTOM』の続編」と語っていた『HINOTORI』という曲も凄く良かったですし、演出も圧巻でした(まさかステージからのダイブが生で観られるとは!)。

『juice』で風船が降ってくるところとかも、ファンを飽きさせない演出になっていたと思います。

稲葉さんに対するメンバーのサポートも凄かった。

特に、稲葉さんの喉を少しでも休ませるために『星に願いを』のギターソロを披露している松本さんの姿を見ていると「絶対に稲葉を最後までステージに立たせてやる」というバンドとしての強い意志を感じることが出来ました。

 

『Pleasure2018 -人生の快楽-』の演奏をもって、ステージは一旦終わり。

ステージから去る稲葉さんの姿を見て、私は自然と叫んでいました。

 

「おつかれーっ!」

いや~、自分でもビックリしましたね。

 

 

この時は、恥ずかしいとかそういう感情も何もなくて、本当に無心で、気が付いたら叫んでいました。

魂を揺さぶられると、自然と声って出てくるものなんですね…

アンコール

無理すんな… とは心の中で思いつつも、やっぱりまだまだ稲葉さんの歌声を聞きたい。

やっぱり、アンコールしちゃいます。

それに、エキストラの演出がまだ出てきていないんです。

実は、今回のLIVE-GYMではファンクラブ会員向けに"演出エキストラ"の募集があっていて、「ライブ後半の1曲のみステージに参加できる」ということになっていました。

アンコールの合唱がドームでこだましている中、ステージの一部にはライブロゴの入った幕が張られます。

 

 

 

そうこうしているうちに、稲葉さんと松本さんがアリーナ席の最後尾の特設ステージに登場。

肉眼で観ようと思っても小さすぎて、稲葉さんたちに背中を向けてモニターを見てしまいます。

 

 

アンコール1曲目は『Brotherhood』。

苦しい時は苦しいって言ってくれていいんだよ

というフレーズでは、おそらく35,000人全員が心の中で稲葉さんにツッコミを入れたと思いますw

そしてアンコール2曲目は『ギリギリchop』!

ここでエキストラが登場します!

あぁ~っ… 明日はここでステージに上がれるのか~っ…

 

 

ライブレポまとめ

B'zのライブは"LIVE-GYM(ライブジム)"です。

ジム、そう、身体を鍛えるあのジムです。

B'zの二人は、私たちを楽しませてくれるのはもちろん、自分たちを鍛える場として"LIVE-GYM"を開催しているのですが、今回のアクシデントはB'zだけでなく、私たちファンも大変鍛えられた出来事だったと思います。

今後もB'zが活動を続けていく中で、もっと良いパフォーマンスを披露できる日はたくさんあるでしょう。

ただ、この日のB'zは、どんなパフォーマンスも霞むくらい圧倒的でしたし、魂を削って燃やしてステージに立っている姿がとても美しかったです。

今日のアクシデントなんて狙ってできるものではないし、もう二度と"復活劇"は観ることが出来ないでしょう。

そもそも、あんな苦しそうな稲葉さん見たくない!

自分の心が張り裂けるくらいツラかった…

 

2018年9月1日のLIVE-GYMは、間違いなくB'zの歴史に刻まれる出来事になったと思います。

そして、その歴史の生き証人になれたことを誇りに思います。

ライブの後半、稲葉さんはこうも言っていました。

「30年やってきたけど、こんなことは初めてだ。」

「でも、30年やってきたからこそ、この経験が出来る。」

「30年やってきて良かった!」

めちゃめちゃポジティブ、そして恐るべきプロ根性。

困難から逃げずに立ち向かい、そして"LIVE-GYM"の名に恥じぬ全てを糧にして強くなっていくその姿勢に、本当に勇気をもらいました。

最低のコンディションの中、本当に素晴らしいライブをありがとう。

とても素敵な経験でした。

B'zが好きで、本当に良かった!!